住宅ローンの返済期間は延長できるの?
返済条件の変更依頼により、住宅ローンの返済期間の延長(リスケジュール)をしてもらうことは可能です。
ただし、これまでに住宅ローン返済の延滞や滞納をしていないことが条件となります。
すでに延滞や滞納がある場合は、残念ながら金融機関が期間延長に応じてくれることはほとんどありません。
この場合当然ながら、他の金融機関への借り換えもできません。
住宅ローン返済期間延長のメリット・デメリット
住宅ローンの返済期間を延長することで得られる最大のメリットは、
「月々の返済額を減らせる」ということです。
経済状況に変化があったり、ライフプランが変わったことにより、
月々の住宅ローン額を支払うのが苦しくなる場合もあるかと思います。
このような時には、月々の返済額を減らしていくために、住宅ローンの返済期間を延長するのもひとつの方法です。
デメリットとしては、借入期間自体が長くなるので、金利負担が増えることから、融資額の総額が増えてしまうことです。
また、返済期間を延長することで、追加保証料が必要となる場合が多いようです。
このように返済期間を延長することにはメリットとデメリットの両面があります。
また期間の延長により、返済期間が定年退職後まで継続する可能性もあります。
住宅ローンの返済期間は最長35年となっていますが、住宅ローン返済が難しいと判断された場合には、この最長35年という期間を超えて返済期間を延長してもらうことができます。
この場合の最終返済時の年齢は80才としている金融機関が多いようです。
定年後まで住宅ローンを返済する場合には、定年後にも収入を得ることが前提となりますので、ライフプランをしっかりと考慮する必要があります。
また、返済期間延長を一度行うと他行での借り換えはかなり難しくなります。
これらのデメリットもよく理解したうえで、返済期間を延長したい場合は債務者である金融機関に相談しましょう。
フラット35利用者の返済期間延長のプラン
国の政策金融機関である住宅金融支援機構のフラット35を利用している人には、新型コロナウイルス感染症の影響で、住宅ローン返済が困難となった人向けの返済方法変更メニューが提示されています。
フラット35の期間延長のプラン
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少し、返済が困難になった人に対して「返済特例」という返済期間延長のメニューが提示されています。
これを利用することで毎月の返済額を減らすことができ、毎月の返済額を減らすことができます。
ただ、この場合も他の金融機関と同様に、返済期間が増えることで総返済額は増加します。
このメニューを利用できる対象には条件があります。
経済事情や病気等の事情により返済が困難となっている方で、以下のいずれかの収入基準を満たす人です。
(1) 年収が機構への年間総返済額の4倍以下
(2) 月収が世帯人数×64,000円以下
(3) 住宅ローン(機構に加え、民間等の住宅ローンを含む。)の年間総返済額の年収に対する割合が、年収に応じて下記の率を超える方で、収入減少割合が20%以上
さらに、返済方法の変更により、今後返済を継続できる人です。
これにより、返済期間は、完済時の年齢上限を80才として、最長15年延長することができます。
さらに対象条件を満たし、現在失業中であるか、収入が20%以上減少した人の場合、
最長15年の返済期間の延長に加え、最長3年の元金据置期間の設定を追加することができます。
これらを変更申請することで、住宅金融支援機構により審査され、適用が可能となれば返済期間変更が可能になります。
年収 | 300万円未満 | 300万円以上 400万円未満 |
400万円以上 700万円未満 |
700万円以上 |
---|---|---|---|---|
返済負担率 | 30% | 35% | 40% | 45% |
このように金融機関により、返済期間延長の手続きが異なり、住宅金融支援機構のようにプランを提示している金融機関もあります。
まずは、あなたがローン返済中の金融機関にどのような返済期間延長の方法があるかを調べてみましょう。
滞納などの状況に陥る前に、月々の返済が難しくなった場合には早めに金融機関に相談することが必要です。